●革新勢力同盟Union des Forces Progressistes:UFP)

 革新勢力同盟→ケベック連帯

【歴代代表】
初 代 ピエール・ドスティとモリー・アレクサンドル(2002−2004)

第2代 アミル・カディルとドニス・ベイル(2004−2006)

 

 

 ケベックの社民主義・社会主義・共産主義の左翼勢力を糾合するため、社民党(旧ケベック新民主党)、革新オルタナティブ連合、ケベック共産党とケベックの社会主義インターナショナルが2002年に合併して成立した。

 そのポリシーはケベック独立、アルテルモンディリアリスム、フェミニズム、平和主義、環境保護主義、比例代表制選挙、反民営化、反規制緩和、企業への増税などであった。政策的に緑の党に非常に近かったが、緑の党はこの同盟に参加しなかった。ただし緑の党は、革新勢力同盟の候補がいる選挙区には候補者を立てなかった。

 党運営では特定の党首を立てず、指導委員会による集団指導制を採用していたが、党の代表者を2人置いていた。

 革新勢力同盟は2006年、フェミニズム団体「女性の選択」と合併してケベック連帯を結成し、消滅した。

 




●ケベック連帯Québec Solidaire
 革新勢力同盟→ケベック連帯

【歴代スポークスパーソン】

初代 アミル・カディルとフランソワーズ・ダビ(2006− )


 ケベック党のルシエン・ブシャール元党首らが2005年に発表した宣言「ケベックの明確な展望のために」は、大学授業料と電気料金値上げを含んでいた。ケベックの左翼勢力は、これを旧態依然で問題の本質から目を逸らさせるものであると批判し、カウンターテーゼ「ケベック連帯のために」を発表する。これは「革新勢力同盟」と、フランソワーズ・ダビ率いるフェミニズム団体「女性の選択」の合併によるさらなる左翼勢力結集をひきおこし、宣言の名がそのまま新党の名称として採用された。

 ケベック連帯は、ケベック党・ケベック自由党・ケベック民主行動党(またはその後身のケベック未来連合)の既成3党を右翼とみなし、自党をそれに取って替わる唯一の存在と定義する。そのポリシーはケベック独立、アルテルモンディリアリスム、環境保護、平和主義、フェミニズム、参加型民主主義、比例代表制選挙、先住民と移民の権利擁護、反人種差別、反ゲイ差別、社会主義・反資本主義などである。

 ケベック党も左派・分離主義という点では共通しているが、彼らの独立構想は国粋主義的であり、ケベック連帯の国際主義的な独立構想とは相容れないとして、批判している。

 

 党運営は、前身の「革新勢力同盟」と「女性の選択」と同様、国家調整委員会による集団指導制を採用し、特定の党首は立てていないが、フェミニズム団体を源流にもつことから、アミル・カディルとフランソワーズ・ダビのテキスト ボックス: アミル・カディル(右)とフランソワーズ・ダビ(左)。男女1名ずつが「スポークスパーソン」として、事実上の共同代表を務めている。なお法律上の党代表は、レジャン・セガン事務局長である。

 

 2007年州議会選挙に初めて進出し、125選挙区に123人の候補者を立てたが、得票率は1.06%と低迷し、一人も当選させられなかった。だが2008年州議会選挙では、得票率3.64%は緑の党より少なかったにもかかわらず、メルシエ選挙区でアミル・カディル代表が初めて当選した。

 2012年州議会選挙では、ケベック党の議席しだいではケベック連帯が議会のキャスチング・ボートを握ると注目され、アミル・カディルとフランソワーズ・ダビの共同代表2人が当選した。

 

テキスト ボックス: 「ケベコワの(男性形)・ケベコワーズの(女性形)紳士(男性形)・淑女(女性形)のみなさんの要望に応えるため、党スローガンを『立ち上がれ・立ち上がるわ』の併記にすることを提案します!」 
注※フランス語の名詞・形容詞には男性形・女性形があるが、間投詞にはない。フェミニズム団体を源流にもつケベック連帯が、いつも男女2人の共同代表を立てるのをおちょくっている。
 党は2006年、人が両手を広げたロゴを採用したが、人は当初黒い色をしていた。2009年にイメージカラーとしてオレンジを採用したとき、ロゴもオレンジに変わった。ケベック連帯は、連邦新民主党から提携関係を解消されたケベック新民主党の流れをくんでいるが、新民主党がケベック進出を企図していることから、物議をかもすものとみられている。

 

 

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